無党派層とはどんな人たち?無記名投票をする意味とは!?

無党派層こそ選挙に行くべき!?低投票率と民主主義 選挙

無党派層とは、支持政党を持たない層のことです。

以前は政治に無関心であるグループとされていましたが、さいきんはそうではありません。

これは、政治家に大きな原因があります。

90年前後からはじまった政党の離合集散。離れたり合併したりと繰り返しております。

政治家は、選挙に「勝てそうな」政党にすぐにくら替えをします。

あるいは、政党の名前を変えて注目を集めようという戦略。しかし、実態はそのまま。議員もほとんど変わりません。

そのようなことを繰り返し、国民は政党に不信感を抱き、支持政党なしの割合が増えました。

現在、有権者の3割~4割が無党派層であり、無党派層の票をいかに取り込めるか、

各政党は常に神経をとがらせております。

では、無党派層が選挙にいく理由とはなんでしょうか。

※こちら政治初心者の方向けの記事です。無党派層でも選挙にいくべきか、選挙に行く場合はどんなときなのか、基礎から解説。

無記名投票でも選挙にいく!?投票行動の合理的選択理論とは

無党派層も含め、有権者は「選挙に行かない」という選択肢もあります。つまり、棄権です。

もちろん無党派層=政治無関心層ではありません。しかし、支持政党あり層に比べて、無党派層は棄権する傾向が高くなります。

2019年7月21日、第25回参院選。

とんこつラーメンで有名な一風堂さんが、お店で「投票済証明書」(投票所で発行)を提示すれば、

替え玉一つ無料にするというニュースがありました。

一風堂さんのキャンペーンは選挙に行く利益を高めるためのものです。

このように、有権者は選挙に行くことで得るメリットと失われるデメリットをはかりにかけ、投票行動を決めます。

投票行動に関し、政治学者のRikerライカーOrdeshookオードシュックは選挙の投票行動の合理的選択理論を提唱しました。

モデルとなる数式はR=P×B-C+Dで書き表されます。

Rは投票に参加することで得られる効用、Pは自分の1票が選挙結果を左右する可能性。

Bは各候補者が当選した場合に期待される効用の差、Cは投票参加にかかるコスト、

Dは投票により市民としての義務を果たすことから得られる満足感です。

たとえば、無記名投票の場合、まずBがほぼゼロ。どの候補者の政策にも不満であれば、その場合も効用の差であるBはゼロ。

投票に行く時間もかかる。ならば棄権・・・というわけではありません。

最後に残っているDが他を上回る場合、投票にいきます。Dは市民としての義務、

民主主義の価値を認め、選挙制度への賛意表明をすべく投票に行きます。

 

※選挙制度に関し、ご興味をお持ちの方はぜひこちらの記事もお読みいただけるとうれしいです。

選挙の義務化はありえない!?選挙義務化をいやがる主要政党?

一方で、選挙を義務化すべきではないかという主張もあります。

罰金などを設けて、選挙を棄権する有権者をなくそうとする意見です。

かつて、森元首相が「無党派層は寝ていてくれ」発言がありました。

無党派層は浮動票とも言われており、野党に投票する傾向が強い。それを踏まえての発言だったのだと思います。

また選挙の投票率が下がれば、組織票(固定票)を持っている政党の候補者が通りやすくなります。

自民党や公明党、共産党などは組織票が強いです。

ですので、選挙を義務にするべきではないかという提言も見られますが、

そうなれば自民党など、各地方に基盤を持った組織政党は、票の動向が読めなくなります。

おそらく選挙義務化は、実現可能性が低いでしょう。

○○○投票も、民主主義的なルール(選挙)を守ることの意思表明

となれば、無党派層の今後の投票行動はどうなるでしょうか。

無党派層の人たちの選択肢として、無記名投票があります。

無意味な投票と思われるかもしれませんが、一票の価値はそれだけ重いものです。

投票する政党や候補者がなければ安易に入れるべきではありません。

無記名投票でも投票を行うということに意味があります。

民主主義国家であるためには選挙が行われなくてはなりません。

選挙の投票で国の代表が決まるからこそ民主主義国といえます。

もし誰も投票に行かなくなれば、投票で国の代表を決めるということが廃止されるかもしれません。

たとえ無党派層でも、選挙や投票と言う民主主義の在り方を肯定し、守っていくという意思を示すためにも投票に行く価値があります。

まとめ

無党派層の方が選挙にいくのは、民主主義的価値に賛同し、市民としての義務をはたすことで得られる満足感。

一部の熱狂的〇〇党支持者を除き、投票に行くほとんどの方が「選挙にいくべきだ」と考える理由もここにあります。

この考え方から、選挙義務化すべしという主張も生まれます。

選挙で国の代表が選ばれるか否か、選挙の有無で民主主義国か否かを判断することを形式的民主主義といいます。

一方、その国の実質的な中身で民主主義を判断する手法もあります。ですが、こちらの方法では、判断があいまいになります。

自分たちが気に入らない国に対し、

「あの国は非民主主義国であり、独裁国家だ」と主張する人が多くいるからです。

※もちろん選挙といっても、秘密投票でなく自由に行われる投票でなくては、民主主義国といえません。

よって、形式的民主主義の基本である選挙を守るため、投票に行くことは非常に価値が高いことです。

もしご自身が無党派層であり、たとえ投票するところがなかったとしても、

無記名投票という形で投票にいくことは十分意味があることだと思います(了)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました