山上徹也氏は「テロリスト」それとも「英雄」!?世論の背景に迫ります

時事問題
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山上徹也氏を「テロリスト」と論じる世論に違和感を覚えています。

2022年7月8日、カルト宗教・旧統一教会と親子三代に渡って不適切な関係を続けてきた安倍元首相を殺害した事件。

はたして政治家を殺害すること自体がテロ行為なのか?こちらの記事では、テロの定義、山上さんの与えた影響、山上さんをテロリスト扱いする世間の風潮に対し、順に検討していきたいと思います。

国会ではテロ行為をどのように説明しているか

国会では、テロリズムを次のように定義しております。

「テロリズム」とは、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうと承知している

(衆議院議員逢坂誠二君提出テロリズムの定義などに関する質問に対する答弁書)

山上さんの場合は、特に政治的主張があったわけではありません。宗教2世として、旧統一教会に盲信する母親の多額献金により家族を壊された過去があります。

お兄さんも自殺しており、旧統一教会に深い恨みを抱いておりました。

特に、日本の政治家が選挙協力目当てでカルト宗教・旧統一教会にお墨付きを与えていた。その現状を打破するために、悪徳政治家の親玉であった安倍元首相を狙ったのです。

この事件で、世論は恐怖したどころか、山上さんの境遇に同情するものが多かった。

実際、国会でさえ「山上さんの言い分は正しい」と素直に認めております。「旧統一教会問題」の存在を認め、被害者の救済に動いているではありませんか。

※山上さんの殺人行為は認められなくとも、旧統一教会被害者救済法案が作られたことは、山上さんの主義・主張の正しさが認められた証(あかし)です。

要するに、①特に政治的主張はなく、②国家に自らのゆがんだ主張を強要することも、社会に恐怖を与えることもせず、③殺傷行為をした。要件としては、③しか満たしていないことがわかります。

山上さんをテロリスト扱いすることは難しいと思います。もし山上さんの政治家殺害事件をテロ行為とするのであれば、殺人事件が起こるたびに「テロ事件」発生とメディアは報道しなくてはいけません。

山上徹也氏により、日本の政治が正された!?

一般的な日本人であれば、反日カルト宗教として、世界で日本人のみから多額の献金を集め、日本女性を性の慰み者扱いしてきた旧統一教会に対し、嫌悪感を覚えざるをえません。

旧統一教会は韓国の反日的主張の体現者。「日本女性は韓国人男性に嫁ぐことで罪が清められる」など、あまりに荒唐無稽な主張をしています。

国会でも、国民民主党・新緑風会の大塚耕平議員は、次のように岸田首相に問いただしております。

政府案に定める禁止行為の違反に対しても、組織犯罪処罰法と関連付けることで抑止効果を高めることも一案だと考えますが、総理の所見を伺います。

今回の救済法案は、旧統一教会問題を機に提出されたものです。マスコミ報道や諸文献によれば、この団体の創始者は生前、日本の天皇陛下を自分の前にひれ伏させるという主張を行ったり、日本の女性に対する看過し難い考えを有していたとも伝わります。

それらが事実であるとすれば、そのような者の率いる団体に日本国の政治家がくみすることは、国家及び国民に対する重大な背信行為であります。日本を取り巻く国際情勢や経済情勢が厳しさを増す中、日本の政治家がそのような振る舞いをするようでは、日本の前途には暗雲が立ち込めていると言わざるを得ません。

第210回国会/参議院/本会議/第11号/令和4年12月8日

対する岸田首相の答弁は、以下の通りです。

閣僚を含む多くの議員が社会的に問題がある旧統一教会、その関連団体と接点を有していたことが明らかになり、国民の皆様の政治の信頼を傷つけたことを率直におわびを申し上げます。

そして、自民党においては、各議員それぞれが旧統一教会との過去の関係を八項目に分けて詳細に点検、報告し、新たな接点が判明した場合にはその都度追加的に報告、説明を行い、今後は関係を持たないことを徹底すること、これを方針としております。

その上で、九月末以降に新たな接点が判明した各議員の報告、説明の状況については、党として取りまとめの発表は行っておりませんが、党の方針に従い、各議員それぞれが説明をしているとおりであると承知をしております。 (同上)

実際、自民党としても「これまでの不適切な関係」を認め、「関係断絶宣言」をしました。山上被告の行為により、カルト宗教2世の苦しみにもスポットが当てられ、

法務省においても法テラス・霊感商法等対応ダイヤルを設けています。堂々と”旧統一教会問題で苦しんでいる方へ”と銘打ち、金銭的トラブル・生活困窮など、心の悩みを問わず解決への窓口を作りました。

法務省は、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議を開催し、特に宗教2世の方の救済に力点を置いているように見えます。

法律においても、消費者契約法及び国民生活センター法改正案、並びに法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案などを矢継ぎ早に繰り出します。

山上徹也氏の行動の結果でしょう。山上氏の行動により、救われた方は大勢いるはずです。自民党の完全敗北です。「自民党に非があった」と認めたわけです。

終わりに:なぜ山上さんは「テロリスト」扱い?その背景とは

大手メディアでさえ、特にテロ行為の定義すら示さず、以下のように論じております。

朝日新聞は、山上徹也被告を「テロ容疑者」(テロ容疑者の生い立ちは伝えない方がいいのか 事件の背景を知る意味)、産経新聞もテロ行為と呼びます(「テロ容認するのか」山上容疑者モデルの映画に批判殺到、上映中止も)。

メディアと呼応して、安倍シンパの方々は、SNSでも山上さんを「テロリスト」「極刑にすべき!」と過激な主張が飛び交っております。私の知人の元警察関係者の方も、安易に「あれはテロ行為だよ」などと言ってしまう。

テロ行為の定義も示さずに、山上さんをテロリスト呼ばわり。程度が低いと言わざるを得ない。

一方で、安倍元首相に対し、憎しみ的感情を抱いていた反日左翼の人たちは「英雄」と称える。自分の憎い相手を(理由はどうであれ)殺してくれたから喜ぶ。これもまた程度が低いですね。

私自身、山上さんに対してはまったく嫌悪感はありません。

安倍元首相の拉致事件に対する背信行為、憲法改正に対しての消極的な姿勢。本音を言えば、なぜ保守派は安倍元首相に対するバッシングを行わないのか、と疑問にすら思っております。

山上さんを「テロリスト」扱いする背景として、

①安倍元首相に対する狂信的信者の存在②テロと呼称することで許しがたい凶悪犯罪というレッテル張りができる、この2点がセットとして考えられます。

しかし、言葉の乱用です。極刑とは最も重い罰、つまり死刑を指します。山上さんの動機などを考えれば情状酌量の余地が大きい。

安倍元首相殺害以外に、果たして旧統一教会問題に社会の関心を向けさせる方法があったのだろうか。

別の記事”拉致問題の現状 日朝両政府間では実はもう「解決」済み?日本国民の二つの誤解とは”でも主張していますが、安倍元首相ほど保守派を裏切り続けてきた裏切り大臣はいないと思っています。

結果的に山上さんの英雄的な行為により救われた方が大勢おり、国家としても健全な方向へと、カメの歩みながらも一歩進んだ。私はそのように評価します(了)。

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