山本太郎氏の能登半島地震での対応に賛否が割れています。
一番注目されているのは、被災者のための炊き出しカレーを食べて、その写真を堂々と自身のXアカウントにてUPしたことです。
私は、政治家のパフォーマンス的な言動に日頃から鬱憤を抱えているので、現地入りしたこと自体が間違った行為であると嫌悪感を覚えます。
炊き出しカレー自体にはそこまで問題を感じていませんでしたが、どうやらそうでもないようです。
今回の山本太郎氏の能登半島への被災地入りの是非。被災者のための炊き出しカレーを食べたことの是非。日本政府や与野党の国会議員の対応なども踏まえながら、検証していきたいと思います。
国会議員が被災地入りしたこと自体が問題?
まず確認すべき点は、なぜ山本太郎氏だけが被災地入りをしたのかという点です。
私は、国会議員の連中のことだから、人気取りパフォーマンスのためにぞろぞろ行くのかな、と思っていました。しかし、山本氏だけ??
もちろん石川県地元選出の国会議員が震災当日にたまたま石川県内にいた場合。あるいは、家族の安否確認のための被災地入りに関しては、十分認められる余地があると思います。
しかし、山本太郎氏だけがなぜ被災地入りしたのか。
岸田首相は、5日与野党会談を実施。6党の党首らと能登半島地震の対応に協力要請。このような緊急時なのだから、争っている場合ではない。足並みをそろえましょうということですね。
岸田首相も、
復旧復興まで息の長い対応をしていかなければならない。与野党が一致して震災対応に万全を期すと確認したい
引用元:日本経済新聞”岸田首相、与野党に協力要請 震災対応で6党首会談”
とのこと。きわめて常識的な発言をしています。その際に、物資などの輸送を優先するため、国会議員が被災地入りするのを控えると与野党で合意がなされました。
岸田首相自身も救助活動や支援物資輸送の妨げになるのを避けるために、能登視察を当面自粛すると会談で応じています。(参照元:時事通信社”6与野党、能登視察を当面自粛 岸田首相「自身も見合わせている」”)
石川県知事馳浩(はせひろし)氏も自衛隊に災害派遣要請をしたように、いま必要なのは自衛隊などの災害救助部隊です。
驚いたのですが、馳石川県知事は、個人や一般ボランティアの被災地入りに対してもストップをかけています。
5日の石川県災害対策本部員会議で「能登に向かう道路が渋滞し、困っている。個人や一般ボランティアが被災地へ向かうのは控えてほしい」と述べ、不要不急の来訪はしないよう呼び掛けた。県によると、渋滞によって物資が届かなかったり、患者の搬送回数が減ったりしているという。
引用元:北國新聞デジタル”馳知事「能登行き控えて」渋滞で物資届かず 能登半島地震”
こういう状況の中だからこそ、一国の総理大臣ですら被災地入りを自粛している。
いま必要なのは、総理大臣である私なんかよりも自衛隊だ。彼らの方がはるかに役に立つ。「自分が被災地入りしても迷惑なだけ」と素直に認めているわけですね。しかし、その中で唯一違った行動を取った人が、
自分は国会議員なんだ!俺が直接被災地入りすることで、現場の生の声を聞くことが大事なんだよ!俺は特別なんだよ!と被災地入りをした山本太郎氏でした。
私は、山本太郎氏が被災地入りしたこと自体が問題であると感じます。ただでさえタレント議員である彼が被災地入りすることは迷惑なはず。なぜ自粛しなかったのか。考えが足りなかったと思います。
有名な国会議員が被災地入りをしたことで、被災者の方が勇気づけられるという声もありましたが。石川県の代表が来ないで欲しい。「迷惑になるから」と言っているのです。
メリットよりもデメリットの方がはるかに大きかったと思います。
炊き出しカレーを食べたのはなぜダメなの?
炊き出しカレーを被災者の方と一緒に仲良く食べたことは、私は当初、そんなに悪いことには思えませんでした。
非難が上がった理由としては、
①SNS投稿など、次の衆院選のための人気取りパフォーマンスが明らかで不愉快。ほんと迷惑系ユーチューバーと同レベ行為②れいわ新選組の党首である山本太郎氏の主張がもともと気に入らなかった③人と違う行為をする人間はとにかく叩きたい。出る杭は打たれよ、という感情的なもの
これくらいかなと思っていました。しかし、被災者のための炊き出しを食べたことを問題視する声も。
山本太郎氏は被災者の方に勧められたのでカレーを食べたと言っています。まあそれくらいならと思ったのですが、ヤフーニュースのコメント欄を要約すると、
被災者と支援者は立場が違う。食料などはすべて自前で調達するべき。気の良い被災者の一人が勧めたにしろ、支援者側が被災者の食料を食べ始めると、他の被災者も同じ気遣いや遠慮を迫られる。「これだけしてもらったんだから・・・」と何かお礼をしなくてはいけないと感じ始める。だから、支援者は被災者の物資・食料を利用してはいけない。
確かにその通りですね。山本太郎氏は、有名な国会議員ということもあり、他の支援者の方々は誰も注意できなかったのではないでしょうか。
おそらく、周りにいる支援者の方は「それはやってはいけないタブーである」と理解していたはず。
こういう点にも、山本太郎氏のお山の大将的な自分勝手な人間性がよく表れています。
スーパーボランティアとして一世を風靡した尾畠さんは、雑草を食べるとのこと。「世の為、人のためじゃない。自分のためにボランティアをしているんよ」という名言もあります。
一方で、山本氏は「選挙で当選するためにボランティアをしているんよ」ということでしょうか。
おわりに
被災地入りをして生の声を聞くという行為は、それほど悪いことではありません。
しかし、時と場合によります。今回は、一国の総理大臣ですら「自分なんかよりも自衛隊の方がはるかに役立つ。石川県知事も同じ考えである」と被災地入りを見合わせているのです。
与野党6党会談にれいわ新選組は参加していなかったこともありますが、あまりに独善的で身勝手な被災地入りであったと思われます。
また、支援者側が被災者の物資・食料に手を付けるというタブーを犯してしまいました。
支援者が被災者の物資に手を付けると、被災者側も「支援者の方もお腹が空いているし、これだけのことをしてくれたんだから」と何かお礼でもしなくてはいけない。そのように考えてしまいます。
国会議員である山本太郎氏には、その点があまりにアマチュアでした。
周りの支援者の方はなぜ注意をしなかったのか。SNSで堂々と炊き出しカレーの写真をUPまでしている。被災地でも自己中心的な行動を繰り返しているのではないか。懸念を感じずにはいられません。
山本太郎氏は、在日米軍機の騒音問題なども国会で取り上げていますし、国民目線に立った行動も十分にできるはずです。非常に残念と言わざるを得ません。
れいわ新選組の政策に「孤立無援、天涯孤独になっても心配するな」というのがありますが、支援者が守るべきこんな初歩的なことですら誰も注意してくれない。
独善的で身勝手な行為を繰り返し、周りの支援者からも「国会議員様だから注意できないよね。困ったな」と”孤立無援”になっている山本氏。
政策には上級国民を批判している部分もありますが、これまたとんだブーメラン。あなたが上級国民そのものだ。
政府批判もよいですが、自己内省も必要です。今回のことに関しては、反省すべき点は反省し、素直に謝罪してはどうでしょうか。
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